鉄分の取りすぎとは、どんなものなのか?
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どうも♪たむ(@tam_tamco25)です^^
「鉄過剰」というワードを聞いたことはありますか?
当ブログでは、鉄不足についてたくさん記事にしていますが、鉄分をとことん取ればいい訳ではありません!
鉄分が体内に多すぎても危険なんです><
今回は、そんな「鉄過剰」の危険性と対策についてお紹介したいと思います。
「どうして貧血の治療は定期的にしなければならないのか!?」についても迫っていますので、最後まで読んでいただけたら嬉しいです♪
鉄分をいいところで維持することの難易度が高すぎる問題についてはこちら^^
身体における鉄分の仕事内容についてはこちら^^
「鉄過剰」ってなに?
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鉄分は、身体にとって影響力が大きく、繊細で、必要不可欠な、厄介なヤツですw
日本女子の50%以上は鉄不足状態です。(厚生労働省がそう言っています。)
しかし、鉄不足じゃない人もいます。
身体に鉄分か過剰になってしまった時、体内の臓器を攻撃してしまい、肝臓・心臓・腎臓などの臓器が機能しなくなってしまいます。
鉄分が臓器にくっついて、赤サビができるように臓器の動きを止めてしまう。という研究もあります。
これは、がんや認知症、肝臓疾患、心疾患、腎疾患などのリスクになります。
花粉症のようにキャパを超えると、細胞を攻撃し始まってしまうように、上限を超えるとこの反応が起こります。
貧血持ちの方は『鉄剤飲んでいるけど大丈夫かな?』と思うかもしれません。
私も最初この話を聞いた時はビックリしてしまったんですが、メカニズムを理解すると、そんなにすぐ鉄過剰になるものでもないことが分かりますので、安心して読んでいただけたらと思います^^
鉄過剰について、より詳しく2つに分けてご紹介していきますね^^
鉄過剰を注意しないといけない人
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注意が必要な方は、以下のような方です。
鉄欠乏症は、成人男性や閉経後の女性にはあまりみられない。このような人は、医師から処方された場合を除き、鉄過剰症のリスクが高まるため鉄剤を摂取してはいけない。
引用:Burke W, Cogswell ME, McDonnell SM, Franks A. Public Health Strategies to Prevent the Complications of Hemochromatosis. Genetics and Public Health in the 21st Centry: using genetic information to improve health and prevent disease. Oxford University Press, 2000.
このように、鉄過剰のリスクがあるのは月経のある女性の反対で、「成人男性」「閉経後の女性」の方です。
そうはいっても、鉄過剰というのはそんなカンタンになるものでもありません!
鉄過剰症という病気の原因の多くは、再生不良性貧血や骨髄異形成症候群などの難治性貧血疾患の方が、赤血球輸血を頻回に必要とする場合です。
つまり、輸血か病気を抱えない限り鉄過剰にはならないということです。
鉄過剰のボーダーと難易度(女子の場合)
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私自身、フェリチンが10ng/dlと低値で症状がいっぱいだった時に、医師の理解が得られずとても苦労しました。
そんな時、医師によく言われた言葉がこちらです。
「フェリチン値が上がっちゃダメでしょう。炎症反応みる値なんだし。上がっちゃだめだよ。」
『じゃあどうやってフェリチン値は維持できてんだよ!増えることもないと維持できねぇだろ!!』という疑問からこの記事は生まれていますw(時には増えないと維持できるわけがありません!)
たしかに、フェリチン値が高いと、炎症が起きているとみなされます。
がんや体内でなんらかの炎症が起きているとみなされます。
では、フェリチンがどのくらい高いと炎症が起こるのでしょうか?
肝障害の場合フェリチン値 1,000 ng/ml以上がリスクファクターであることが示され ている
引用:日本内科学会雑誌、平成22年6月10日(https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/99/6/99_1233/_pdf)
このように、肝臓の細胞が破壊されるのに、危険値となるのが、「フェリチン値1000ng/ml以上」です。
隠れ貧血もちの方なら気づいているかと思いますが、食事や内服だけでこんな値になるわけがありません!
また、このようなものもあります。
鉄過剰症重症度基準
血清フェリチン値/重症度
> 500 ng/m l Stage1
>1,000 ng/ml Stage2
>2,500 ng/ml Stage3
>5,000 ng/ml Stage4
出典:日本内科学会雑誌、平成22年6月10日(https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/99/6/99_1233/_pdf)
このように少なくとも、フェリチン値が500ng/ml以上になると、鉄過剰症の影響が出ます!
私は、フェリチン値が4ng/ml以下だった時、
鉄剤(フェログラデゥメット(1錠100mgくらいの鉄分))を1日1錠ずつ飲んで、3ヶ月かけてフェリチンの値を80ng/mlにしました。
100ng/ml以上に到達したことはありません。
もし、私がフェリチン値を500ng/mlにしようと思ったとしたら、何年も継続して飲み続けなければいけません。
そもそもそんなに長く鉄剤を飲ませてくれる医師はいません!(処方できないはずです。)
日々、生理で血液を失っている女子にとって、「鉄過剰」になることは難関です!
処方薬でさえフェリチンの値を500〜1000ng/mlにするのはとても難しいことなので、何年も長期的に飲み続けるようなことさえなければ「鉄過剰」になれません!
生理の難易度についてまとめた記事はこちら^^
鉄剤やサプリメントを長く飲み続けるためには?
サプリメントの注意点は?
ということに関して、「鉄過剰になりたい!」が叶うか!?という視点から見ていきましょう♪
鉄剤で「鉄過剰」を目指す!
貧血になると、真っ先に鉄剤を飲みますが、これはいろいろな研究の結果で、重要であることが明らかです!
鉄欠乏性貧血の臨床症状が認められる場合は、鉄補充が特に重要となる。
女性では、血清フェリチン濃度が15 μg/L以下であれば鉄欠乏性貧血が確認されたことになり、鉄補充が必要となる可能性がある
引用:米国における鉄欠乏症を予防および管理するための勧告、1998年4月3日(CDC Recommendations to prevent and control iron deficiency in the United States. Centers for Disease Control and Prevention. MMWR Recomm Rep 1998;47:1-29.)(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9563847)
このように、鉄不足の人は鉄剤を飲むことが推奨されています。
そのくらい鉄不足なら鉄剤を飲むのは普通のことです。
「鉄剤」を長期的に何年も服用すれば、鉄過剰になることができますが、日本医療の制度的にそれは無理です!
(決まりがあるので、そんなに長いこと処方はしてもらえません。もしくは定期的に血液検査が当たり前です。)
理由は「鉄剤の副作用」と「鉄過剰の問題」です。
鉄剤の副作用でメインとなるのが、悪心・嘔吐・便秘・下痢・暗色便または腹部不快感などの消化器系の副作用です。
これがひどくて、鉄剤での内服治療ができない方もいるくらいです。
また、鉄分を身体に吸収するために動いているのが「小腸」です。
そもそもの人間の仕組みとして、鉄分は小腸で必要分だけ吸収されて、余分な分は便として排出します。
なので、鉄剤で貧血の治療をしている方は、安心して鉄剤を服用してください^^
定期的に、血液検査を受けて自分のフェリチン値の経過をみることも大切です。
私自身も、鉄剤を服用すると便秘になりやすいので、たまに「酸化マグネシウム」に頼ることがあります。
今は、市販薬でも登場したので、頼むのがめんどくさくて、処方薬じゃないですが、常備薬となっています。
「コーラック」などの便秘薬より、「酸化マグネシウム」が断然いいと思います!
市販薬で「鉄過剰」を目指す!
「健康のために鉄分サプリをずっと飲んでいるの!」という方はいますか?
場合によっては危険であることがあります!
市販薬で有名なのは、『マスチゲン』や『ファイチ』だと思います。
1日あたりの成分量は『溶性ピロリン酸第二鉄79.5mg』となっていて、これは鉄分10mgに相当します。
処方薬の鉄剤の成分量は、50~100mgです。
なので、市販薬は、鉄剤の1/10くらいしか鉄分が含まれていません。
一見みると、たとえ市販薬を飲み続けていても、鉄過剰にはならないだろうと思いますが、、こちらの表をみてください。
乳児(7~12カ月)、小児および成人に対する鉄の推奨量
年齢 |
男性
(mg/日)
|
女性
(mg/日)
|
妊婦
(mg/日)
|
授乳婦
(mg/日)
|
生後7~12カ月齢 | 11 | 11 | N/A | N/A |
1~3歳 | 7 | 7 | N/A | N/A |
4~8歳 | 10 | 10 | N/A | N/A |
9~13歳 | 8 | 8 | N/A | N/A |
14~18歳 | 11 | 15 | 27 | 10 |
19~50歳 | 8 | 18 | 27 | 9 |
51歳以上 | 8 | 8 | N/A | N/A |
引用:「統合医療」情報発信サイト-海外の情報-「鉄」-全米科学アカデミー米国医学研究所が設定した食事摂取基準(DRI)(http://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/07.html)
アメリカは、貧血の治療や予防法が進んでおり、貧血の女性も世界的に少ないです。
なので、アメリカで推奨されているデータを持ってきました!
成人女性は1日に18mgの鉄分を摂取するべきだとされています。
妊婦さんの場合は、1日27mgの鉄分摂取しないといけません。
このことを考えると、月経のある成人女性は、市販薬を飲んでいたとしても、この量を摂取するのは難しいです!(市販薬は1日10mg程度なので)
体質や運動量によっても、鉄分の必要量は変わってきます。
なので、自分だけで貧血の対策をするのではなく、健康診断や血液検査、専門家に相談してから市販薬やサプリメントを飲んでくださいね^^
ただ、「鉄過剰」になることは、生理のある女子の場合とても難易度が高いです!
まずならないと思っていいということ。
まとめ
ここまで、「鉄分の取りすぎとはどんなものなのか?」について書いてきました。
・「鉄過剰」になると細胞を攻撃し始める!
・しかし、「鉄過剰」になりやすいのは、生理のある女子ではなく、成人男性と閉経後の女性。
・女子が「鉄過剰」になるのは難しすぎる!
・そもそも日々生理で血を失っていて、サプリメントでも足りないくらいの鉄分が必要なんです!
このようなことをお伝えしたい記事でした^^
貧血体質の女子は、ずーーっと鉄剤を飲み続けたくなりますよね。
心配で不安になってしまいますよね。
でも、鉄過剰という危険性があるために『基本3ヶ月くらいのペースで服用を止めて経過を見て、採血して…』というような定期的な治療が必要です!
それは、「鉄過剰」というリスクを少なからず抱えているからなので、大変ですが、病院にいきましょう♪
私も、2か月おきに必ず血液検査をして、鉄剤を服用しています。
頑張ります!
女性の場合は特に、鉄分の維持をする難易度が高いので、危険を理解して、正しい予防をすることが大切です!
男性でも貧血の方はいますし、スポーツをしている人だとどの年齢でも貧血になるリスクがあります。
私も、正しい知識を習得して、隠れ貧血と上手につき合っていこうと思います!
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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